認知症ってどんな病気?
1. これだけは知っておきたい!もの忘れ・認知症の大切なところ
- ボケは「認知症」と言います。認知症は誰もがなりうる病気です。100人生まれると死ぬまでに7人が認知症になります。80歳以上の15%、85歳以上では30%が認知症です。
- 「認知症」は脳の病気で(肝臓や心臓と同じく脳も病気になります)、アルツハイマー型の他いくつか種類があり、特徴が違います。
- 「認知症」の専門科は精神科や神経内科や脳神経外科です(カゼの専門科は呼吸器科や耳鼻咽喉科です)。
- 「認知症」の治療はかかりつけの先生の所で大丈夫ですが、専門の医師を勧められたら嫌がらずに受診しましょう。
- 「認知症」の「物忘れ」はなかなか治りませんが、「邪気を回す」「怒りっぽい」はよくなります。
- 予防も少しは言われています。
2. 脳の話
前頭葉(前):前の部分はヒトに特有に発達した部分。高度の情報処理を行い、「その人らしさ」を作る。後ろの部分は体の動きをコントロールする。
頭頂葉(てっぺん):感覚の情報を処理する。言葉や物事の意味を理解する。
後頭葉(後ろ):視覚の情報を処理する。
側頭葉(横):記憶、喜怒哀楽、食行動など生物としての本能に関わるところ。
⇒⇒やられる場所で症状が違います!
3. 認知症の種類
- アルツハイマー型(50%):脳のてっぺんと横が縮む。「物忘れ」に始まり、「段取りが出来ない」、「人まちがい」、「迷子になる」などが加わっていく。運動障害は少ない(⇒徘徊などがあり介護は大変ということ)。ゆっくり、確実に進行する。
- 脳血管性(15%):脳梗塞や脳出血がたくさん起こり、脳が縮む。体の一部が動かない、感覚がないなどの運動や感覚の障害を合併することが多い。症状は脳の縮む場所によって様々。急に悪くなったり、階段状に進行する。
- レビー小体型(20%):脳の後ろと前と中心の働きが悪くなる。気分が落ち込む、動物や人間の幻が見える、手足が振るえ転びやすいなどのパーキンソン症状を伴う。良かったり悪かったりの波がある。
- 前頭側頭型(10%):脳の前と横が縮む。若く(50歳前後から)発病し、性格や行動の変化が目立つ(⇒精神科で他の精神病と診断され治療されていることも多い)。運動の障害は少ない(⇒徘徊などがあり介護は大変ということ) 。ゆっくり、確実に進行する。
- その他(5%):頭部外傷の後遺症(高次脳機能障害の一部)で記銘力障害や認知症をきたす。正常圧水頭症や慢性硬膜下血腫など手術で良くなるものでも、手遅れになると治らなくなる。
4. 認知症で精神科に相談すると、どんないいことがあるか?
(まぁまぁ)治る認知症の場合、治療ができる。しかし多くは進行を遅らせるぐらいしかできない。
(まぁまぁ~良い)精神や神経の薬の使用に慣れている。⇒行動や精神の問題を少しは改善できる。
(良い)身体よりも精神や行動の問題が中心の場合、そこに重心をおいた診断書類を書ける。⇒本人の真の状態や家族の苦労に見合う介護サービスを受けられる。
(優れている)どの型の認知症か正確に診断できる。⇒先が読める。⇒家族は準備ができる。
(優れている)成年後見人制度等の診断書が書ける。⇒判断力が落ちた人の財産等を守ることができる。
5. 病院を受診したあとの注意
- くすりだけではダメです。⇒対応の工夫、デイ・サービス、ヘルパー、宿泊施設等の活用。
- くすりは決められたとおりに飲みましょう。
・くすりの量や回数を、医師の許可無く、本人や家族が勝手に調節してはいけません。
・くすりの量や回数を飲み間違うと却って悪くなることがあります。
・くすりは高齢の本人では管理できないことがあります。 - くすりを飲み始めた後の変化は、悪いことも医師や薬剤師や看護師に報告してください。
- 難しくはありませんが、対応には認知症のタイプ別のコツがあるので、医師に相談してください。
6. ボケの予防に効果があるらしいこと
- 散歩(30分以上、週3回がおススメ)など有酸素運動はよい。
- 知的ゲーム(囲碁、将棋、マージャン他、コンピューターゲームも可)はよい。
- 地中海食や日本食など魚料理はよい。
- 今のところ市販薬やサプリメント(健康食品)はどれも怪しい。